薄毛に気づいた人が、あわててドラッグストアに駆け込んで手に入れる薬が育毛剤です。いくつも種類はありますが、手ごろな商品を選んで買った人がすることは、多分、ほとんど同じだと思います。

ふりかけておしまい。

毎日毎日、一定時間の間隔で育毛剤をふりかければ、いつしか髪の毛が生えてくるはず。そんな期待で続けているのです。しかし、それだけで実際に育毛効果が見られた、という人を私はほとんど知りません。

「薄毛やハゲは治らないもの」というイメージが強いので、薄毛に気づいた当初は驚き、あせって育毛剤を使い始めた人が、1年、2年と経つうちに、自分の頭皮に起こった事態を徐々に受け入れていきます。こうして毎日、高価な育毛剤を頭皮にふりかけながら、長い時間をかけてあきらめていくのです。

こういう方があまりに多いのを、私はたいへんもったいないと思います。なぜなら、私か代表を務める皮膚臨床薬理研究所では、2年にわたる評価試験を通して、育毛剤の使用を含む育毛ケアで、明らかな発毛効果が見られた、という評価結果を持っているからです。育毛をあきらめるのにはまだ早い人は、たくさんいます。

育毛剤ってどんなもの? と聞けば、多くの人がテレビCMなどで男性がスプレータイプの商品を使っているようなシーンを思い出すのではないでしょうか。お笑い芸人などが自分の薄毛をネタに笑いを取っている様子も、テレビ番組でしばしば見かけます。

薄毛、ハゲは特に中高年の男性の悩み。育毛は髪の薄い中高年男性がするもの、というのが世間一般のイメージであるように思います。

あなたは1日のうち、何回ぐらいブラッシングしますか?

大抵の人は、風呂上がりや朝、もつれた髪をとかすために行っているだけではないでしょうか。ブラッシングを単に髪をとかすことだと思っている人は、もったいない勘違いをしています。

ブラッシングは実は、頭皮の健康を維持するために非常に重要な役割を持っているのです。

シャンプー方法についての誤解を解いた後は、ドライヤーを使ったブローについでです。ブローもシャンプー同様、毎日何気なく行っている人がほとんどだと思います。

特に、髪を早く乾かそうとしてドライヤーの吹き出し口を髪に近づけて使うことが多い人、逆にじっくり時間をかけて髪を乾かすことが多い人は要注意。気づかないうちに毛髪のやけど、「髪焼け」を起こしている可能性があります。

髪焼けとは、ドライヤーの温風で毛髪から適切な水分が失われ、タンパク質が変質してしまう状態のこと。髪焼けを起こした毛髪は、内部のタンパク質が乾燥して硬くなったり、毛髪の表面のキューティクルがはがれたりして、枝毛・切れ毛になってしまうのです。

 

さらに、週に1回程度、スペシャルな頭皮ケアとして、〈シャンプー前の頭皮オイルクレンジング〉と、シャンプーしながら行うくもみ出し洗い〉をすると頭皮の健康を保つためには、なおベターです。

頭皮トラブルの多くが、シャンプー法の誤りに原因があることをおわかりいただけたと思います。ここで改めて、正しいシャンプー法を紹介しておきましよう。ご自分のシャンプー法と比べて、違っている点はありませんか? ポイントは、髪を洗うのではなく、「頭皮を洗う」という点です。

 

ここで、頭皮の潤いについて補足をしておきましよう。

健康な頭皮の内部には、30%の水分が含まれています。頭皮表面の角質細胞が並ぶ角質屑はたった0.02mmという薄さですが、15~20%の水分を保持することができ、外部の刺激から保護してくれます。角質層に20‰の水分かあると「潤いのあるしっとりと美しい頭皮」、10%以下になると「乾燥したガサガサの荒れた頭皮」ということになります。

かゆみ、フケ、薄毛・抜け毛に悩む方の多くは、はっきりいって自業自得。自分でその原因を作っておきながら、悩んでいるという図に陥っています。

確かに頭皮が不潔になると、炎症を起こしでかゆみが発生します。フケも出やすくなりますし、毛穴が詰まって薄毛・抜け毛にもつながります。

が、多くの女性は、ほぼ毎日髪を洗っている人がほとんどでしょう。不潔にしているせいでこうしたトラブルが起こっている例は、むしろ少数派といえます。女性の頭皮のかゆみやフケは、不潔にしているから生じるのではなく、シャンプーの仕方が間違っているせいであることが非常に多いのです。

かつて、「顔にはダニが棲んでいる」という詰が世間を震憾させました。テレビの映像で、顔のダニが動いているのを見たことかおるでしよう。顔と頭皮は同じ「皮膚」ですから、ダニはもちろん、細菌までもが存在しています。

ダニのほうは、皮膚ダニ(デモデックス)、ニキビダニと呼ばれる種類で、ヒトの身体では、皮脂腺が発達している坂向や頭皮の毛穴に生息しています。この皮膚ダニ、一人の頭皮にどれだけいるか、知っていますか?

まずはシャンプー=髪を洗うことについて。「髪を洗う」というと、シャンプーで髪に付着した汚れを落としてトリートメントで保護する、「髪をいたわる」というイメージを持っている人がほとんどだと思います。

しかし、そもそもその思い込みが間違っています。「髪をいたわる」といっても、触れた通り、髪は死んだ細胞です。トリートメントでコーティングをすることは可能ですが、いたんだ髪を修復することはできません。いくら丁寧にトリートメントをしても、「髪が元気になる」ということもありえません。