育毛剤を使うだけでは、髪の毛は生えてこない
薄毛に気づいた人が、あわててドラッグストアに駆け込んで手に入れる薬が育毛剤です。いくつも種類はありますが、手ごろな商品を選んで買った人がすることは、多分、ほとんど同じだと思います。
ふりかけておしまい。
毎日毎日、一定時間の間隔で育毛剤をふりかければ、いつしか髪の毛が生えてくるはず。そんな期待で続けているのです。しかし、それだけで実際に育毛効果が見られた、という人を私はほとんど知りません。
「薄毛やハゲは治らないもの」というイメージが強いので、薄毛に気づいた当初は驚き、あせって育毛剤を使い始めた人が、1年、2年と経つうちに、自分の頭皮に起こった事態を徐々に受け入れていきます。こうして毎日、高価な育毛剤を頭皮にふりかけながら、長い時間をかけてあきらめていくのです。
こういう方があまりに多いのを、私はたいへんもったいないと思います。なぜなら、私か代表を務める皮膚臨床薬理研究所では、2年にわたる評価試験を通して、育毛剤の使用を含む育毛ケアで、明らかな発毛効果が見られた、という評価結果を持っているからです。育毛をあきらめるのにはまだ早い人は、たくさんいます。
では、どうして育毛剤をきちんと使っているのに生えてこないのか。
そこには、薄毛に対する2つの無理解があるからです。
まず一つは、先述したように、「薬は塗ればいい」というような極めて対症療法的な発想で薄毛をとらえていること。育毛ケアをきちんと行うには、頭皮の洗浄、マッサージなどを適切に行い、育毛剤が持っている働きを理解したうえで自分の薄毛のタイプと相性のよいものを選択する必要があります。それなのに、切り傷に軟膏を塗るようなつもりで育毛剤を使っている人が、なんと多いことか。
これでは育毛剤を買う度に、高い代金をムダに支払っているようなものです。
もう一つは、薄毛のメカニズムを正しく理解していないこと。 自分の毛髪が薄くなったことに気がついて、「私も歳をとったな……」などとため息をついた人も多いかもしれません。しかし、「薄毛は加齢のせい」というだけでは、あまりに理解がシンプル過ぎます。毛髪の後退を自然な変化として受け入れられる大らかな性格の方ならともかく、いくらかでも改善したいと思っているなら、もう少し詳しいメカニズムを理解して、より効果的なアプローチを検討するほうが賢明です。
薄毛は男性と女性で発生するメカニズムも傾向も異なります。原因には、ホルモンバランスの変化やストレス、女性の場合は出産など、身体の変化に関わる事態が関係していることがめずらしくありません。
髪が薄くなる理由を正しく理解しないで、適切な対処はありえません。最近は、10代~30代という比較的若い女性で薄毛に悩む人も増えてきました。この場合、薄毛の背後に病気が潜んでいる可能性があるため、問題としてはより深刻です。これも「ストレスのせい」などと片づける傾向が強いですが、ストレスは原因の一部であってすべてではありません。ぜひ、正しい知識を通して、症状の改善を目指してほしいと思います。
間違いだらけのシャンプー選び
